経済産業省が提示している電気主任技術者の認知度アップ施策がなかなかの切れ味!電3ナビも便乗してターゲティングとマーケティングを検討してみた
少し前の情報になりますが、今年の3月12日に経済産業省より「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」というタイトルの資料が公開されておりました。
↓↓↓こういう表紙の資料です
こちらの資料のついてはタイトルの通りなんですが、電気主任技術者、電気工事士に関する「現状分析」「そこから導き出される課題」「課題に対する対応策」について経済産業省としての見解がまとめられてます。
で、この「課題に対する対応策」が個人的に刺さりましたので、色々と掘っていきたいと思います。
記事の目次
電気主任技術者の現状分析
まず、こちらの現状分析の資料から。
画像だと少し文章部分が見づらいので以下に挙げてみました。
- 有資格者の数は、第2種、第3種電気主任技術者ともに中長期的にも想定需要に対して十分に存在。
- 一方、業務ビルの増加と人材の供給減により外部委託を担う保安業界の第3種電気主任技術者が2045年
には想定需要約1.8万人に対して4千人程度不足する見込み。 - ヒアリングによれば、2045年にかけて第2種電気主任技術者の選任が必要な大規模再エネ設備が増加するた
め、地域によっては第2種電気主任技術者の担い手の確保に苦労する可能性あり。
要約すると、電験の2種、3種の資格そのものを持ってる人口は、中長期的(ターゲットを2045年にしてる?)には足りてるけど、実際に実務として業務が行える技術者が第3種電気主任技術者で4千人ほど足りなくなるかも、という話。
まぁ、現状の法律に従うのであれば仕方のはない話ではありますが、そもそも他の士業資格、独占業務がある資格と比べても電気主任技術者に関しては外部委託を担えるレベルの実務を行うためのハードルがかなり高いため、人口を増やしにくいってのが現状としてあります。
独り立ちするための難しさについては以下の記事を参考に。
資料では2020年頃から人材不足が出始めると予想してますので、もうすぐそこの未来の話となってます。。
電気主任技術者の課題の整理
- 就業先として電気主任技術者や電気保安業務を認知したきっかけが、保安業務に関係する親族等の身近な人による紹介大きく依存しており 、ターゲット層に対する電気保安業界の認知度は低い。
- 電気主任技術者を目指す認定校が減少しており入職率も低い。今後、認定校の新卒採用に依存することは難しい。また、転職者層等に対する資格取得等の学習機会が少ない。
- 保安法人への有資格者の応募は少なくないが、実務経験が不足している有資格者が採用されにくい実態がある。また、有資格者が実務経験を蓄積したくても、実務経験を積む機会が少ない。
こちらは現状からの課題をまとめた内容になりますが、書かれている通りで認知度が低いのはまさにその通りだと思います。正直なところ電タクも親がその資格を持っていなければ一生知る機会がないと言ってもいい位ほかで見聞きすることはほぼ無いです。
特に知り合いとかに電験に関する説明する際は結構苦労することが多く、大体決まって「電気工事士の発展版」と言うことにしてますが、それさえもピンときてないのが実態としてあります。※ビルの屋上とかにある小部屋の中をあーだこーだすると言っても「それ必要?」っぽい反応でほぼ理解されない、、
あと、最近では民間の電気保安会社などでは有資格者で実務未経験の方でも採用されるところが増えてはきてますが、まだまだ絶対数という意味では少ないため、経産省の見解のとおりだと思います。
電気主任技術者の課題に対する対応の方向性
- 行政は、実務経験が乏しい有資格者入職しやすい仕組みを検討する。
- 認知度向上並びに入職者促進に向け、民側はコンテンツの拡充等に取り組み、行政は業界横断的な取り組みを促す。 さらに、認知してから業界内容や資格等についての理解を深め、資格取得や採用応募等の一連の行動を促す仕組みを検討する。
- 認定校が減少している中、行政は幅広い年代を対象とした学習機会を継続的に確保するため、通信教育による資格取得制度の創設等について検討を進めていく。
- 民側は、必要に応じて、有資格者を捕捉し転職を支援するシステムの構築を検討する。
対応としては官民一体となって認知度を上げ、かつ有資格者が実務者になれるためのスキームを築いていく内容となっておりますが、ちょっとここで認知度向上に向けた取り組みで気になる点が、、
経済産業省の中の人。
正気ですか?
【電気主任技術者】×【エンタメ】の切れ味が良すぎてもう付いていく自信がありませんが、てか安易すぎるだろコレ。マジで。
電タクレベルで色々と想像を膨らませましたが、ご提案出来るのはコレくらいです。
■電気主任技術者 × ヒューマンサスペンス
主人公男性の職業が電気主任技術者。ある日の点検で手順ミスによる感電で過去の記憶を失った。様々な障害を乗り越えて記憶を取り戻すための旅が始まる。(キ◯タクのドラマのパクリ)
■電気主任技術者 × クライシス
南海トラフ地震発生により浜岡原発がメルトダウン!日本の危機を救うため7人の電気主任技術者が立ち上がった!(電験1種持っててもどうしようもない、、出演してもモブ止まり、、)
まぁ、適当の書きはしましたが認知度を上げるどころか下げかねない内容となってしまったので、コンテンツ案は一旦置いといて認知度を上げたいターゲットとそれらを効果的に行うためのマーケティングを考えてみたいと思います。
認知度を上げるべきターゲットとそのマーケティング
冒頭の現状分析にも書かれている通り、今はギリ人が足りてるが2020年頃から減少傾向、2045年には想定数から4千人ほど足りなくなるってことなんで、言ってしまえば、今から27年後に労働者としてピークを迎える年齢層(働き盛りは35~40歳くらい?)にリーチするのが良さそうに思う。
27年後に35~40歳になってる年齢とは現時点では8~13歳の年齢層です。
まずはココに絞って行きましょう!経産省さん!マス狙っても絶対にうまくいかないから!
で、この小学生層をターゲットにすることで得られるもう一つ大きな利点がボトムアップ効果が期待できるところです。
というのも、仮◯ライダー、ポケ◯ン、妖◯ウォッチ、ド◯ゴン◯-ル然り、子供層に人気のあるコンテンツに関しては親も必然的に詳しくなる(認知する)ことが非常に多く、それすなわち子供向けのヒットコンテンツを作ってしまえば、2045年に不足する層、そして不足傾向を始める2020年台の層に認知度アップが図れるという皮算用が成り立ちます。
※筆者も◯怪ウォッチに関しては子供の影響から知って、そして今では子供より詳しい、、
ということで、電3ナビとしては、
電気主任技術者の要素を含んだ小学生向けのコンテンツを作って、小学生並びにその親に対して認知度を上げる
という内容をご提案させて頂きます。
_____では、どのようなコンテンツがよいのか?というお話になりますが、残念ながら今の私の経験値とイマジネーション力では良案は思いつかない次第です。
※むしろ考えたくもないwww
この辺りは経済産業省主導の官民一体構想の中で練ってもらうことにしましょう。(頑張ってね経産省!)
認知度よりも大事なこと
と、冗談はこの辺までにしておいて、
正直なところ電気主任技術者でドラマや映画やろうが、ぶっちゃけ勝手にやってもらったらいいんですが、そんなことよりももっと大事なことは環境改善に尽きるんじゃないでしょうか。
まぁ、環境といっても色々切り口がありますが、例えば以下のような案はどうでしょうか?
①電気主任技術者の賃金面の待遇向上(もしくは委託案件のベース単価の水準切り上げ)
電気主任技術者の場合、組織に属している状態の方と個人事業主としてやられている方で賃金のひらきはあるとは思いますが、どちらのケースでもそこまで報酬が少ないということはありません。が、悪く言えばメチャクチャ良いってわけでもないため、世の中的にも認知度が低いってのもうなずけます。
※賃金や報酬が高けりゃそりゃ認知されますしね。
まずは電気主任技術者の行う業務・案件に対する報酬水準を上げて、その仕事に就きたいと思ってもらえるポジションを取りに行きましょう(賃金が良ければお願いしなくても転職エージェントは食いついてくるはず)
②電気保安業を行っている会社にて実務未経験者の採用を必須とする(取らなければ罰金など)
これも経済産業省の課題に挙げられてましたが、やはり有資格者+未経験者をどうやって実務者にしていくかにかかってると思います。
で、書いた通りやるなら企業側に採用を義務化してしまえばよいかと。推奨レベルじゃ絶対に採らないです。マジで。
やり方的には採用1人につき国から助成金を出す、逆に採用しなかった場合は制裁金、またはそれに相当するペナルティを課すなど色々ありますが、やってないならまずはこの辺りの制度設計をやってもらいたいところですね。
③外国人の登用
もう、どうあがいても日本人の労働者人口は減少の一途をたどるしか道がない状態なため、目に見えてる未来を回避するためには電気主任技術者として外国人を積極的に採用していくしかないと思う。最近コンビニに行けば外国人の店員さんしかいない状態ですが、もうこの際、電気主任技術者も同じ考え方で。
そこには言葉の壁、働き方の壁、文化の壁など色々あるとは思いますが、まぁ、今から取り組んで上記の①案、②案とミックスして進めれば20年くらいしたらそれなりにイイ形になるんじゃないでしょうか?(とりあえず積極受け入れ、かつトライ&エラーで仕組みをブラッシュアップ)
まとめ
結局のところ、本記事でお伝えしたかった内容としては
エンタメとの掛け合わせは一旦置いといて、まずは環境改善一択!
ということです。
まぁ、様々な面からアプローチを行って電機保安業界の水準を上げていくのは全然構いませんが、まずは電気主任技術者の実務者予備軍を正規軍にするための部分にコストを使っていってもらいたいところですね。(映画撮ってる場合じゃねーし!)
と、私的な見解のまとめとしては以上となりますが、この記事読んでる方でちょっとでも興味が湧いたなら当ブログ内を色々読んで頂けると幸いです。(資格の話、電気主任技術者の話など色々書いてます)
おまけ
今回取り上げた資料の参考資料として以下の資料が付けられてました。
こちらについては認知度向上に向けた各レイヤーにおける情報連動の図となりますが、認知のところの図をよく見ると、、
経産省の資料にバズるってキーワードがwww
いや~なんかある意味うれしいですね。
こういう表現が公的な意味を持ち始めたのもそうですが、経済産業省の切れ味がよそ以上に良い点も今回は良い収穫になりました。
今後は定期的に経済産業省のサイトを除いて公式資料をチェックしていこうと思います。


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